元プロボクサーが工場の社長へ。新潟県三条市で新たな挑戦を続けるヤマトキ製作所
こんにちは、新潟三条市地域おこし協力隊の松岡です。
今回は、元プロボクサーであり、現在はヤマトキ製作所の社長を務める小林秀徳さんをご紹介します。
小林さんは高校卒業後、プロボクサーを目指して上京。1999年にプロ資格を取得し、後楽園ホールでデビュー戦に勝利。その後も連勝を重ね、2000年には全日本新人王としてMVPを獲得。
2003年に眼窩底骨折が発覚し、手術を受けた後、約4年間のブランクを経て2007年に復帰。
しかし、2008年に日本Sバンタム級王座に挑戦した際、初のTKO負けを喫し、30歳で引退を決意しました。
引退後、小林さんは地元新潟県三条市に戻り、家業であるヤマトキ製作所に入社。
現在は4代目社長として、雪止め金具や雨樋などの建築金具の製造を手がけています。
最近では、キャンプブームに乗じて「野良ゴトク」というキャンプ用のオリジナル製品も手がけています。
このゴトクは、持ち運びが便利なように分解でき、手のひらサイズに収まる巾着に収納可能で、非常に好評です。
初回製造分は100セットほどで完売し、次回ロットの生産も検討中とのこと。
また、毎年開催される「工場の祭典」では、劣化しないチタン製ギターピックも製造。
現在は、地元の楽器店で販売されています。
ヤマトキ製作所では、三条市のおばさま方や若い男性スタッフが働いており、町の産業を支えています。特に、小林さんの影響を受けたかのように、格闘技やボディービルに励むスタッフもいます。
工場の作業は、プレス加工や溶接、組み立てが中心で、大型機械を扱うため一見難しそうに見えますが、実はロボットが多くの作業を補助するため、女性でも十分に対応可能です。
小林社長は、プロスポーツ選手のセカンドキャリアについても深く考えています。
自身の経験から、引退後の社会復帰や新たな仕事に挑戦する難しさを痛感しており、工場の作業が引退後の新たなキャリアに適していると感じています。
格闘家やスポーツ選手が持つ集中力は、工場の仕事においても大いに役立ちます。
現役時代に技術を習得し、引退後はその技術を活かして工場で働くことが可能です。
また、工場内ではトレーニング器具やリハビリ器具の新しい製品開発も行っており、これが成功すれば、新潟県三条市から世界に向けて新たな発信ができるでしょう。
小林さんは「若者たちが三条市に来て、工場の作業を見学し、新たなキャリアの可能性を見つけてほしい」と語っています。興味のある方は、ぜひ三条市に足を運んでみてください。
工場のリングで、新たな挑戦が待っています。