燕三条のビジター向けに
キュレーターが
ローカルの魅力を紹介。

GO OUT

LIFE STYLE

【包丁】燕から世界にほこる職人技術 オープンファクトリー 藤次郎株式会社【ナイフ】

2022.03.11

こんにちは! 今回は藤次郎株式会社さんのオープンファクトリーに取材を行ってきました!
行ってみた感想としては綺麗の一言! 整頓がすごくされているという感じでした! 包丁、ナイフができていく工程順で回ることができるので藤次郎さんが包丁に込めたこだわりを一つ一つ感じながら見て回れます。1回みたら包丁が欲しくなる…そんな藤次郎オープンファクトリー、紹介させていただきます。
今回は藤次郎ナイフギャラリーの小林さんに、直接案内をしていただきました!

ー藤次郎オープンファクトリーとは…
刃物メーカーとしては国内屈指の工場見学施設となり、ものづくりの現場を間近にご覧いただくことができます。そして、いかにして藤次郎が形づくられていくのか、そのルーツや製品づくりに込める想いを垣間見ることができます。
工場ならではの音や熱気に触れて、職人の生きた「技」をご体感ください。

引用元 https://tojiro.net/openfactory/

ーまずはエントランスから…
もともと弊社は農機具部品および農機具の製造をしており、そこから包丁製造を始めました。
包丁の製造に関しては打ち刃物と抜き刃物、社内で全ての工程を持っております。

藤次郎は業務用包丁で高い評価を国内外問わず頂いておりまして、一般のご家庭でもよりお使いいただけるよう、SNS等を使い発信しています。

エントランスより藤次郎さんの歴史が垣間見えます
ずらーっと並ぶ今まで制作されてきた包丁、ナイフのアーカイブ。圧巻です…

ー打ち刃物の工程
短冊状の鋼材(鍛接したかたまり)を炉で800度~900度で加熱し、ひたすら叩いて包丁の形に鍛造していきます。形を作り上げる以外に材を鍛えるという重要な役割もあります。機械と金槌を使い分け徐々に薄く伸ばしていき包丁の形になっていきます。
包丁をくさび形に削っていく「研削」は基本的に水研ぎで徐々に薄く研いでいき形を整えていきます。ハンドル・柄部分は全て手作業で削り研磨することで仕上げております。ハンドル内部に配した中子というパーツをハンドル材で挟み込み鋲で留めます。
こちらで製造している商品はセミカスタムオーダーにより受注生産を行っており、すべて手作業のため、注文をいただいてからお渡しまで3ヶ月から半年程お待ちいただいております。

ひたすら叩いて叩いて成形をおこなっていました!

ーハガネ材について
包丁はよくハガネと聞きませんか? 包丁の素材にはハガネとステンレスがあります。ハガネはよく切れますが、すぐ錆びてしまいます。ステンレスは錆びにくいがハガネほど硬くないので切れ味が落ちます。そこで藤次郎が使う鋼材は真ん中はハガネで外側はステンレスで複合した材を使用し包丁を製造しています。

●複合材について
ハガネやステンレスなどの特性を生かすために、異種材料を貼合せて鍛造して製造された材料です。接合時に材料間で炭素の移動現象や異種金属間の電子移動などによる腐食(錆)が起こり、非常に難しい材料製法ですが、藤次郎株式会社ではDP法(内部脱炭防止法)と呼ばれる、まったく新しい金属の接合法を開発し、ハガネの性質を落とすことなくステンレスで貼合せることが可能になりました。

引用元:https://tojiro.net/reading/7359/

ー抜き刃物の工程
量産品に向いている工程です。レーザーやプレス金型で鋼材を包丁の形に抜きます。
これだとまだ包丁の形にぬいただけなので、刃が厚く切れません。これを刃に向かってくさび形に削ることで切れるようになります。ここで何度も丁寧に研削することで切れ味がよくなります。研削の工程は包丁の価格を左右する大事な工程です。
研削の終わった包丁とハンドルの金属部を溶接します。包丁は刃とハンドルを溶接して一体化させていますが、溶接した部分をピカピカに磨いて、一つの金属に見えるくらいまで磨き上げていきます。
量産品とは言いますが工程もたくさんあり、一つ一つ人の手で丁寧に作業しているので時間が非常にかかりますが、その分品質も高いです。

切れ味や価格に関わる大事な工程…職人さんも真剣です

ー1番人気の包丁「オールステンレス包丁」
オールステンレスの包丁が人気で、これも燕の技術が詰まっています。ハンドルの部分が空洞になっていて軽量化も図っています。このハンドルは日本国内では燕でしか作ることができません! プレス金型で型取り、溶接にて接合しているそうです。

オールステンレス包丁につかわれているハンドル、プレスで型取り張り合わせているそうです! 社内での愛称「もなかハンドル」
中が空洞になっているから重さを感じずに使用ができる。

ー表面の研磨・ヘアライン加工「目通し」
ここからは包丁をそのまま研磨するとあぶないので、木の枠にハメて研磨・表面処理をしていきます。包丁刀身の表面のキズをならし、綺麗に仕上げていきます。包丁を使うと細かい傷がはいってきます。その傷はぴかぴかの鏡面だとすごく目立ってしまうのでヘアライン加工で傷が目立ちにくいように表面処理を施します。

とても整頓された工場内

ー研ぎ直しも行っています。
ご家庭で切れ味が悪くなってきた包丁の研ぎ直しを職人の手でやらせていただいています。新しいのを買っていただくのももちろん嬉しいですが、日本の包丁は研ぎ直しながら長く使っていける道具です。環境のためにもよい研ぎ直しを希望される方は是非お問合せください。

小林さん、ありがとうございました!
包丁を作る工程もすごかったですが、オープンファクトリー内も工場とは思えないほど作業場が整理整頓されており、仕事をしている皆さんが働きやすそうだったのが印象的でした。ブランディングされて設計された空間だなと感心してしまいました! そして、なにより楽しそうに私たちを案内してくれた小林さんに感謝です!
包丁を買うだけでなく、燕三条から世界へいく包丁と工程を追体験できる場所、是非いってみてください!

一枚のステンレス材から折り紙のようにつくられたオールステンレスナイフ「ORIGAMI」

もちろんショップ内の包丁も充実! 料理する人はもちろんのこと、ここにきたら一振り包丁がほしくなってしまうこと間違いなしです。色んな形の包丁があり、料理する方の様々な意見、要望を取り入れてきたのがわかりますね。

藤次郎オープンファクトリー
〒959-0232 新潟県燕市吉田東栄町9番5号
TEL 0256-93-4195
web:https://tojiro.net/
※営業日は藤次郎株式会社様のHPよりご確認ください。

CURATOR /

県央をいいお店を探しながらフラフラ...自由気ままに投稿しております。

SHARE

RECOMMEND

Supported by